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【EIZO FlexScan EV3450XC】高画質と目に優しい機能を備えたスタイリッシュなウルトラワイドモニター

「モニターといえばEIZO」と昔から品質に定評のあるメイドインジャパンのEIZOモニターをついに手に入れたのでレビューします。

購入したのはEIZO初のWebカメラ&マイク内蔵となる34.1型ウルトラワイド曲面モニター、FlexScan EV3450XC(2024年6月28日発売)。発売前に予約購入して6月29日に家に到着しました。

色は机やデスクトップPCの色にあわせてホワイトを選択。昨今、白色のベゼルを採用したモニターって少ないんですよね・・・。白色のモニターを選ぼうとすると必然的にEIZOが選択肢に入ってくる気がします。右はこれまで20年くらい利用してきたBenQのE2400(24インチ)。

セットアップ後の写真はこちら。

モニタサイズ:34.1型(インチ) モニタタイプ:ウルトラワイド 解像度(規格):UWQHD(3440x1440) パネル種類:IPSパネル 表面処理:ノングレア(非光沢) 入力端子:HDMIx2/USB Type-Cx1/DisplayPortx1/LANx1

EIZO FlexScan EV3450XC(Amazon)

10項目に整理してご紹介します。

デザイン

シンプルだけどスタイリッシュで洗練されたデザイン。白色を選びましたが、液晶パネルの上部と左右のフレームは黒色で、黒色のモニターライトと違和感なくフィットしました。上部には500万画素のWebカメラが内蔵されていますが、目立ちません。

発色・明るさ

液晶パネルにはIPSパネル(※)を使用。視野角に優れ、色の再現度が高く、画質がきれいです。アンチグレアなのでテカテカしていません。表示色は約1,677万色、標準輝度は300 cd/m2、コントラスト比は1000:1。発色と明るさも申し分ありません。

※IPSパネル:視野角に優れ、画面を見る角度が変わっても色の変化がほとんどなく、色の再現度が高く画質がきれい(でも他の液晶パネルの種類と比べると価格は高め)といった特徴を持つ。

シャープさ

体感的には必要十分。WindowsのデスクトップUIが基準としてきた表示密度の96dpiに合わせて画素密度を96ppi程度にした製品が主流と言われている中、このモニターの画素密度は109 ppiなので標準より少し良い感じでしょうか。画素ピッチは0.233 x 0.233 mm。縦横同じサイズ(正方形)で安心です。

調整機能

目の疲れを軽減するための調整機能が充実。このためにEIZO製品を選んだといってもよいと思います。Auto EcoView機能で周囲の明るさに応じて画面の明るさを自動調整。EyeCare調光方式でLED光源のちらつきを完全カット。ブルーライト約80%カットのPaperモードも搭載。

はじめPaperモードは色合いが変だし薄暗くて使いづらいかもと思ったのですが、仕事で使っているうちに最近はこのモードばかり選ぶように・・・。長時間WORDやEXCELを使うために、目の疲れが取れない日々が続いているのですが、このモニターを使うことで少しでも目の負担が軽減できればと思っています。

【調整機能詳細】

    • いつもちょうど良い明るさに:環境光を感知し、周囲の明るさに応じて画面の明るさを自動で調整するAuto EcoView機能搭載。環境照度への画面の明るさの追従性を上げることで、より自然な調光に進化。目の疲れを軽減できるとのことです。
    • ちらつきを完全カット:輝度調整にEyeCare調光方式を採用。LED光源の低輝度調整時に発生しやすい画面のちらつきをカット。人の目では感知できないちらつきもカットすることで、ユーザーが気づかないうちに受けていた目への刺激も緩和されるとのことです。
    • ブルーライト約80%カット:あたかも紙のような見え方の「Paperモード」搭載。一般的な液晶モニターに比べて、輝度、コントラスト比を抑え、画面を暖色系の色味にすることで、ブルーライトの量を低減。自動調光機能Auto EcoViewとの併用で、ブルーライトを約80%カット。
    • 約1cd/m2まで輝度が下げられる:輝度の調整範囲が広く、約1cd/m2の低輝度に画面を暗く調整可能。どのような環境でも最適な明るさに調整し目への刺激を抑えられるとのこと。設定は非常に細かく自分好みに変更できるのは間違いないです。しばらくはオートで使ってみますが、慣れたら少し弄ってみてもいいかなと思っています。

応答性能

リフレッシュレートは61Hz、応答速度は5ms。オフィスユーザー向けには十分な性能。動きの激しいゲームをしないなら問題ありません。標準的な応答性能で、特に不満は感じません。

視野角

画面の両端が緩やかな弧を描く湾曲デザインで、178°の広視野角。どの角度から見ても高い視認性があります。横に長い画面でも隅々まで見やすく、没入感があり、作業に集中しやすいです。

サイズ

画面の両端が緩やかな弧を描き、左右のフレームが3.4mmとほぼフレームレス。「思った以上にコンパクト」という印象。机の奥行き60cm、横幅140cm強にちょうど良いサイズ感。VESA規格対応で、モニターアームにも無加工で接続可能。モニター部の重さは約9.2 kg。私もエルゴトロンのモニターアームにつなげて使用しています。

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もともと37.5型のEV3895が欲しかったのですが、少し大きすぎるのではないかと断念した経緯があります。一回り小さいEV3450XCは机の奥行きを踏まえて視認性のことを考えると最適なサイズ感ではないかと思っています。(奥行き70cm以上確保できれば37.5型でもよい気がします。)

解像度

解像度はUWQHD(3440×1440)。一般的なFHD(1920×1080)の2.4倍に相当するため、これまでノートPC画面と24インチモニターの2画面で作業してきた処理を1画面で横並びにしてできるようになったり、1画面では不可能だった長大な列数のEXCELを一目で確認できるようになるので作業の効率化につながります。また、21:9のアスペクト比はシネコンサイズなので、没入感あふれる曲面モニタという特性を活かしつつ全画面で映画を視聴できるのではないかと期待しています。

Webカメラとマイク

500万画素のWebカメラとマイクの標準搭載は、後付けで机の上をゴテゴテさせたくないデスク周りすっきり派のユーザーには嬉しい機能です。そしてWindows Helloの顔認証に対応しているのは、ログインでパスワードを入れなくて済むようになって地味に嬉しいです。

ちなみに内蔵スピーカーは「4.0W+4.0W」。一世代前のEV3895が「1.0W+1.0W」なので、少しグレードアップしました。会議の音声も十分聞こえるレベルと思います。

入力端子とPicture by Picture機能

映像(と音声)の入力端子は、HDMIx2、USB Type-Cx1、DisplayPortx1と必要十分。これに1000BASE-T対応の有線LAN入力端子も備えています。

付属ケーブルは、電源コードとWebカメラ&マイク用接続用の「USB Type-A - USB Type-Bケーブル (2 m)」のほか、USB Type-C (2 m)とDisplayPort (2 m)が付いてきたのは嬉しいですね。特にモニタの色にあわせて白色のケーブルというところがお洒落。

2台のPC情報を同時表示できる「Picture by Picture(PbyP)」機能を搭載。我が家はデスクトップPCとノートPCを同時に動かして画面をよく切り替えているので、同時に両方のPCの画面を確認できるこの機能は重宝しています。その分1台で全画面を占有はできないので、「ノートPC+モニター半分使用」の従来のモニタ2枚構成+デスクトップPCというモニタ3画面利用状態に陥っています・・・。

ここまでいいことばかり言ってしまった気がしますので、あえてデメリットと思われる点を5つ挙げてみたいと思います。

 

デメリット1:高価格

メーカー直販サイトである「EIZOダイレクト」販売価格は162,800円。外国製のウルトラワイドモニターの中でも高性能を売りにしたゲーミングモニターと肩を並べる高価格帯に位置します。単なるスペック比較から見た費用対効果では、これらのゲーミングモニターと見劣りしてしまうのは残念ながら確かではないでしょうか。

個人的には、この価格差は「目の疲れを軽減するための調整機能の充実さ」に加えて「管制塔や医療現場等の過酷な現場に納品する実績を持ち、カラーマネジメントモニタでも定評のあるEIZOブランドという高品質への信頼性」+「メイドインジャパンの安心感(とそれを応援する気持ち)」+「やっぱりEIZOだよね!と言える優越感代(笑)」という数字で表しにくい価値代だと思っています。

事実、メーカー直販サイトでは5年保証が標準でついていますし、「EIZOさんが出す商品なら間違いはないだろう」という絶対的な安心感がありますね。

ちなみに、これまで20年ほど使ってきたBenQのモニターは特に可もなく不可もなくという感じでしたが、使い始めた初期のころから画面の片隅に黒い線が表示されるようになり、初期不良とまではもう言えない時期だったので返品も効かない苦い経験があったこともEIZO製品を選ぶ後押しになったと思います。

デメリット2:サイズと重量

画面の両端が緩やかな弧を描き、左右のフレームが薄いことでコンパクトに感じますが、モニター部だけでも「幅 x 高さ x 奥行き:819.5 x 385 x 103.1 mm」ですので、それなりに机が広くないと置けません。特に奥行きは60cmくらいあったほうがよいと個人的に感じます。

また、重量はモニター部だけで9.2kg、台座含めて12.1kgであり、それなりに重たいですので、設置場所に制約があるところでは置けないかもしれません。

デメリット3:曲面モニター

湾曲デザインは没入感を高め、視野角も広く、コンパクト化にも貢献していますが、画像等の水平・垂直確認作業には不向きかもしれません。

デメリット4:内蔵スピーカー

内蔵スピーカーは「4.0W+4.0W」。スピーカーのないモニターも存在する中で、スピーカーを別に用意せず手軽に音を出せる利便性はありますが、音質にこだわるユーザーには物足りないと感じると思います。私は初めから外部スピーカーがあるのでそちらを利用してしまっています。

デメリット5:UWQHD

UWQHD(3440×1440)は21:9というシネコンサイズの動画にはぴったりですが、世の中のモニターの標準的なアスペクト比は16:9なので、多くのストリーミングサービスは16:9で動画配信しています。そのため、16:9の動画をそのまま全画面表示はできないという残念さがあります(ブラウザの拡張機能等で上下をカット表示することで全画面表示自体はできます)。また、解像度の面でも4K(3840×2160)には至らず、4Kを売りにした動画や画像等を楽しむことができないという残念さがあります。

ただし、4Kで大画面のモニタとなると、PCのグラフィック性能をそこそこ高くする必要があり、また費用面でも高値となるので、UWQHDが費用対効果的には現時点ではちょうどよいといえるかもしれません。4K動画等の視聴は居間のテレビ&プレーヤーに任せることにしましょう。

 

デザイン、発色・明るさ、シャープさ、調整機能、応答性能、視野角、サイズなど多くの面で優れた性能を持つモニターだと思いますので、これらのデメリットを理解しつつ選ぶ価値はあると思います。

おまけ

発売前の予約特典でEIZOグッズをいただきました!(これが欲しくて発売前に予約したともいいます)

梱包箱には紐がついていて、持ち運びが楽でした。細やかな配慮がさすがEIZO。

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